2012年9月18日火曜日

SDA王滝120kmレポート

さてさてレースレポート、まずはスタート前の失態を。。。
前日晩に、天気予報を見ようとTVをつけると映画につい見入ってしまい、就寝は23:45。。。
レース当日早朝、4時に起きて、朝ごはんを求めて、宿の階下に降りると、用意されたおにぎりはスタッフ分に混じって会場へと。。。
そこから、まずは落ち着いて、ニューハレをしっかりと足首と腰に貼って、トライアスロンでも愛用のC3FITを着用して、その上にレースウエアを着て、ランシューズを履く。
ランシューズ?会場までランニングで向かいます。バイクはSPECIALIZEDスタッフに託して、スタートラインを確保してもらっているからです。
が、今回、トップ6、つまり前回の入賞者はフロントラインにコールされて並びますので、その必要はなかったり。。。
嬉しい変更でありますが、知らずに、スタートラインで、空気調整したり、チェーンオイルを塗布したり、ボトルを差したり準備をしていました。




今回ボトルは、IRONMANを意識して?サドル後方にマウント。ハイドレーションバックを背負わないことで、背中、腰の体幹の負担を減らしたいと思っていました。まあ、2ボトルでもイケると思いましたが、手元にせっかくあったので、話のネタにもなるし、何事もやってみるが良し、なので。
結果的には、ボトル2本のうち、片側一本が脱落してしまいました。後方車が回収してくれればいいのでしが、ゴミとなっている可能性もあるので、もうやりません、スミマセン。。。
理由は、コーナーでリアが流れて、カラダをひねってリカバリーする時にどうやら大腿か腰が接触してしまっていたようで、ボトルケージが破損してしまったのです。
タイラップやビニールテープで保持力は増す工夫をしていたので、もう片方は安定して最後まで使えました。


バイクは29なので、ハードテールでも大丈夫ではないかと思いつつも、リム打ちパンクと振動疲労の低減のために、XCレースに適した2.0サイズから、2.3サイズというファットなサイズをチョイス。
これは大正解で、路面がスムーズで良くなっているように感じる効果を得ました。29ならではのトラクション、コーナリンググリップもまして、うき砂のような路面も安定して走れました。

コーナリングスピードが上がり、最初は攻めましたが、ボトルを落としてからは、かなり安全マージンを取って下ることになりましたが。


タイヤは太くなることで、実重量と漕ぎが重くなりますが、レネゲード、セミスリックタイヤだったので実際の走りは、ゼロ発進の漕ぎ出し以外は軽く、王滝のように走りっぱなしで、また路面も荒れている場所では、かえって接地の均一性と、車体の安定で、細いタイヤよりも速かったと感じます。

タイヤの太さは縦の直径も増しクッション性の増加は明らかで、ギャップもなんなく越えスピードアップと、そしてサスペンションのように振動と衝撃を吸収してくれたので、疲労蓄積を後半に遅らせられた効果がありました。

耐パンクについては、一度、草の後方に隠れた岩にリアをヒットさせたのですが、リム打ちの嫌な感触を僅かに感じたものの、パンクを免れることができました。疲労で腕が一杯だった最後のダウンヒルパートでは、ラインをミスしたのか、前輪サイドカットしましたが、シーラントにより後方に抜かれずにでなんとかゴールできています。

Facebookをみて参考にして2.3サイズを装着したディーラーさんも、明らかに楽で走り易かった!と絶賛してくれました。

タイヤ選択は大正解でした!


レースは、まだ早朝の薄暗い中、空も薄い雲に覆われているが、雨は降ることなく日中は晴れを予想してのスタート!

ハンドルにはコースと標高を記したガイドを装着しましたが、ルートはだいたい覚えていますので、疲れた時の参考になるとともに、今回は水たまりを通過した時のしぶきが顔にかることを防いでくれて助かりました。



実際の走行ログはこの通りです。
POLARの新製品、RC3の内蔵GPSによるログですが、かなり正確ですね。
走行距離と、スピードも参考にしつつ、レースペースは心拍数を参考に進めていきました。

スタート後のパレード走行は、朝食の摂取が遅かったこともあり、なるべくペースを抑えたかったのですが、先導車および先頭集団のペースに歩調を合わせて進行しました。
ジープロードに入り、ペース解除になると、選手は思い切りよく飛び出していきます。自分はまだペースを抑えておきたいところでしたが、序列に従い、先頭に出るでもなく、遅れるでもなく進んでいきます。

それでも、上りで徐々に順位を上げていき、優勝した池田選手、2位の松本選手、4位の山中選手ととも抜け出します。やはり上りでちょっとペースが上がらない松本選手を抜いて池田選手とランデブーとなりますが、しばらく下ったコーナーでリアが流れリカバーなどしてボトルが脱落、その後の下りでのペースダウンを余儀なくされました。
一回はボトルを拾っていたところで、4位まで後退しますが、ダム湖畔に出るまでには、上りでのスピードが優位なのか、再び2位に上がります。
心拍数は下り以外では、150bpmを下限、160bpmを上限として、長時間持続できる代謝にコントロールしながら、ペダリングのリズムと、脚の力感を保ちました。
それでも上りのスピードに分があったのは、SワークスHTと、カーボンホイール、そして2.3サイズのタイヤ、そして29インチの加速をすばやくして高い巡航速度に素早くのせる走る方をうまく出来ていたからこそでしょう。

しかし、池田選手には上りで詰めることはできても追いつくことはなかったので、長距離でのスピードの持続など、本場で磨かれているだけあって流石の一言です。

その後、第2チェックポイントを通過して、第3CPに向かう長い山間では谷間越しに上りで先行する池田選手がチラチラ見えます。しかし、やはりお互いのペースは拮抗して捉えるに至りませんでした。その後の下りでは、安全マージンを取りすぎたのか、松本選手に追いつかれてしまいました。
速い!と思ったところ、うまく追従してラインをトレースすると明らかに、高いスピードがキープできます。流石、王滝を知り尽くしているので、ラインも完璧です。下りでは付かず離れずそのまま追従させてもらいました。
上りでは逆に、タイヤのトラクションが安定しないのか、29に慣れていないのか、ペースにムラのある松本選手に肉薄します。
しかし、42kmと100kmでは最後に当たる長い下りで、42kmの選手を追い抜いて行く時に、フルサスとHTとの差がでて荒れたところを、抜ききれない自分は徐々に離されていきます。
下りきって、120kmのループに分岐するところでは、坂1つ分の差ができてしまいました。さらに、自分のペースも低下、日照とエネルギー低下で頭がボーっとしてきてしまいました。ここからは、レースの展開を楽しむと言うよりは、身体の辛さとのせめぎ合いです。

120kmは100kmとは全く違うレースだと言っていいでしょう。スピードを持って押し切れる100kmまでならば感じない辛さを、このプラス20kmの上り下りのループですべてのライダーが味わうことになるのです。
軋む身体、エネルギーレベルの低下、やめてしまおうかと囁くもうひとりの自分、この葛藤に打ち勝たなければなりません。正直、100kmまでは楽しく走れますが、120kmは楽しくありません。しかし、挑むのです。

全般的に、補給が少なかったかもしれないと、背中のポケットの、ジップロックに入れたジェルブラストの残量を見たところ、確かに思ったよりも減っていない。ここから急遽、口一杯に頬張ってエネルギーを回復させます。噛むとグミからジェルが出てくるので、かなり急速に脳のエネルギーレベルが戻ります。
水分は、コース上にある数少ない天然エイドにしっかり立ち寄り取水し、頭からたっぷりかけて冷却しました。

前走者も後続も視界に入らない中、細かい岩と石に覆われて一本調子の急坂を、カチコチに張った腰、擦れて痛くなった臀部の皮膚に耐えながら、頂上まで上り詰めます。

あとは下るだけだ。しかし、この下りで幾度かパンクをしています。最後まで慎重に下ります。
が、残り数キロでフロントタイヤに異常を感じました。変形がおおきく、ラインがブレます、スローパンクだ。止まって確認するとサイドカットでした。チューブを入れるか、エアー補充でいけるか。Co2ボンベを2本まだ残していますから、エアー補充で乗り切る決断をしました。


29用の容量の多いボンベならば、2.3サイズもパンパンに入ります。そこからはリア加重しつつ、サスペンションも柔らかくして、神に祈って下りました。ゴールまで持ちこたえてください、と。

しかし、コーナーの度にタイヤの感触が、徐々に柔らかさを増していくことに気づいていました。やはり、ゴール手前で走行不能まで空気圧は低下しました。再度エアー充填します。ここまでの感じならば、ゴールまでは足りるはずだ、という確証を持って。

果たして冷や汗をかきつつも、6時間11分、3位でフィニッシュを果たしました。



こちらが走行データです。



心拍数、エネルギー代謝的にはIRONMANペースで走れたので良しです!
また最高のレースの競り合いも楽しめたということで、満足度が高いです。

自分の努力に対して何を得るのか、自分は満足を得ています!


ここに昇った皆もそうでしょう、いい笑顔しています!


良い道具を買うだけで満足、美味しいものを食べに行く事で満足、
大勢で走るだけで満足、景色の良い景色の中を走ることで満足、
それも確かに満足の一つでしょう。自分もそう感じますし。

しかし、それだけでは、そこでは決して味わうことは出来ない満足、
それを求めて、多くの人は何かに挑むのですね。

挑むことにこそ満足な結果あれば、その過程に楽しみを得られる、
だと自分は思います。

王滝にはそんな多くの方々が募っていました。

来年もキツイと分かっている120kmを走りたいと思います。



ホイール   Roval Control SL 29

タイヤ    前後:   SW RENEGADE 2.3 前後 1.5気圧

アイウエアー SMITH OPTICS REACTOR MAX-JP CRYSTAL RED

シューズ   SPECIALIZED BG S-Works MTB 

HRM    POLAR RC3(国内先行評価機)

レース中エナジー摂取  power gel 4個x2フラスコ、ジェルブラストx4袋


テーピング 腰部 ニューハレVテープ
        足首 ニューハレXテープ