2013年3月14日木曜日

本物、一流のもつ根源的能力

昨日の早朝からのLUMINA連載「トレーニング探訪」取材のお相手は、
長年トップスイマーの座を維持し続ける原英晃さんでした!

日本記録を出し、アラフォーに至る今も長年トップレベルを維持し続ける姿勢、
考え方には、30歳からと遅くからプロ化した自分にもとても共感できて、
また勉強になることがとてもありました。


バランスよく鍛える、弱点を補う、中心的な要素を重視、無駄な力みを抜く、
自転車にも合い通じるものもとても多かったです。


また、先日はオリンピックに二出場したスイマーのBG FITもご指名で
行わせてもらいました。

こちらのかたも、現役を退いてしばらく経っているのですが、動きのしなやかさ、
体幹の安定性、そして、動きの修正の速さは、驚くほどに物凄かったです。

BG FITで体の柔軟性に合わせて、深い姿勢を取りつつも楽に維持して、
さらにその後、ペダリングのレクチャーと実践をしたところ、
股関節から動き上死点までのスムーズなアップストローク
膝関節下のリラックスをしながら、下死点前後で無駄な力をかけないダウンストローク、
という動きの切り返し、をあっという間にマスターされていました。


スポーツ、カラダ使いの基本は同じでも、力の伝達先は違います。

バイク:ペダルに力(脚の重さと筋力)を加えバイクを進める
スイム:水に力を加え反作用で浮いた体を前に進める
ラン:地面から着地時の力の反作用を受けて体を前に進める

それぞれの特徴をつかみ、かかる作用と反作用、そのときの体の受け応えを
マスターしないといけませんが、この方のつかみの速さと言ったら、
最初と最後で別人のようで、はや熟練のサイクリストのそれでした!



それぞれの種目はそれぞれのスキルやフィジカルの要素を
高いレベルで確立しなければ、パフォーマンスも高まりません。

しかし、それぞれは同じ体を使い行うわけですから、
共通要素も当然あります。

バイクだけに必要な要素、スイムだけに必要な要素、ランだけに必要な要素、
スイムとバイクに共通する要素、バイクとスイムに共通する要素、ランとスイムに共通する要素、
と個別に見ていき、間違った応用を避けることもとても大切です。

サイクリストの自分がランが遅い理由、スイムが遅い理由は、バイクの動作が染み付くことで、
ミスマッチな動きを反射的にしてしまうことなのですから。

一つの種目の動きからミスマッチを是としてしまうことは実際はとても多いです、
ランの接地感と同じようなペダリングのちから発揮のタイミング、
ウエイトトレーニングのような単発動作と連続動作のフォーム、
必要なねじりとひねり、不必要なねじりとひねりを混同するなどなど
いろいろと考えられます。


しかし全てに共通する要素、呼吸循環、代謝、そして体幹の安定、とりわけ骨盤の安定は
全てに共通します。

丸め過ぎず、反らし過ぎず、いかに動きの中心を安定させるかです。

「固定は力ずくで一点に位置を止め続けること、
安定は少ない力で協調をさせることで、良い位置を保ち続けること」

この固定と安定の違いも分かることも重要です。

さらに、自分自身の”動きの修正能力”という全てにおける共通要素が
一流とその他を分かつ、根源的な能力だと考えています。

このレベルが高い人ほど、高いパフォーマンスが発揮でいるでしょうし、
当然高い結果も残しているでしょう。

また修正が効くということは、加齢により年々変わる体と向き合い、それに合わせた動きに
修正し続けることで、長年に渡り高いパフォーマンスを発揮できることでもあります。

原さんは、この動きの修正能力を、「空間認知能力」をおっしゃっていました。

水中という無重力空間で、体の各部位の位置、向き、角度、速さ、などなど立体的に
空間の中で正しく認知、判断、操作出来るかどうか、が上手くなれるかどうかのカギだと
いうことでしょう。

自分も同じことを考えていました。
ただし、バイクの場合は、サドルにより体を支持されますので、その上の姿勢、
その下の脚を、空中で認識出来ればいいので、スイムとは比較にならないほど
簡単なのです。だから自分でも高いレベルで出来たのですが。。。

この簡単なペダリングの空間認知ができているかどうか、
ペダルから足を外して、脚の動きだけでまるくペダリングをする
”エアペダル”をやれば誰でも、セルフチェックできます。


「長期間パフォーマンスを維持出来る、
他の種目でも高いパフォーマンスを発揮できる」

これが出来れば本物であり、一流の資質を持っているのではないかと思います。

お会いしましたスイマーのお二人は、世界的レベルの高い日本水泳界において
結果を残したまさに、本物であり、一流である方々でした。


自分は、というと、、、
んーまだまだ空間認知も水中でも、ランニングでも上手くいかないので、
動きの修正能力も低くはないけど、高くはない、というところでしょうか。

まだまだ精進が必要です!