2013年3月26日火曜日

デジタルペダリング、アナログペダリング

今日はペダリングに関してのメッセージを頂きました。

【TKへのメッセージ(120字以内)】

「ペダリングについて教えてほしいことがあるのですが、今までの自分のペダリングは1時から3時を気にし過ぎて、どちらかというとデジタル的だったので、ヒルクライムの時に踏み込めないし、直ぐ息が上がっていました。バイシクルライディングブックをもう一度読み、接線方向に力を入れると書いてあったので、そのようにペダリングしたところ、別のことに気が付きました。ペダリングはアナログ的なんだと。自動車のカムの形を思いながら、力の入るところと抜くところを意識してペダリングすると力が途切れることなくタイヤに伝わる感じがしました。このペダリングで合ってますでしょうか?ご教授の程宜しくお願い致します。」


とのことですが、いいところに気づかれていますね。
感覚表現は、人それぞれですので、合っている、合っていない、というのは
評価は出来ないのですが、コメントから自分が思うところを伝えさせて頂きます。

人間は動きは、デジタル通りには行かない、アナログなのです。
力を出す、出さないは、デジタルのように 1,0,1,0とはいきません。
力を出したらその力は急には止まりませんし、止めることはとてもむずかしいものです。

急には止まらないことを活かして、勝手にかかる部分は力は抜いて、
立ち上がりの瞬間に力を一気に出す、というのがペダリングにおいて効果的です。

なぜならペダリングの動きは、円の外周をたどるどの局面をとってもコンマの動きに
他ならないのですから、長く力を掛けているということは、どこか余計な方向に力が
かかっていることのほうが多いでしょう。

また、力を止める難しさは脚の上下動で顕著になります。
下方向に向かっている下死点では、下にかかり続けることで、推進力とはならない力が
円周の外方向にかかっていまいます。
脚が上方向に向かっている上死点でも、力が抜けてかかり始めるのが遅くなりがちです。
これらは脚の上下の切り返しの難しさ、ペダリングの難しさそのものとも言えます。

ですので、アナログ的な感じで良いかと思います。

また力は、一本の脚の上下だけでなく、左右の脚で考える必要がありますので、
補いあって”タイヤ”に力が途切れることなく伝わる感じはいいと思います。
ペダルに力を360度入れ続ける必要はありません。


ペダルは結果的に動くもの、力が伝わるものであり、
動かしているもの、力を出しているものは脚なので、
次のステップとしては、カラダに意識を置くことを
強くお勧めします!

片脚の上下の切り返し、左右の脚の切り返し、動きの切り返しに
集中してみて下さい。

自分が、SPECIALIZEDコンセプトストアで行なっていますペダリング実践講座では、
STEP1では上下の切り返し、荷重と抜重を、
STEP2では左右の切り返しによる出力と入力を実践してもらい、
最終的に、チョンチョン、とか
スッ、スッ、
トン、トン、
タン、タン、
というようなアクセントを加えるように仕上がるようにしてもらっています。


バイシクルライディングブック にもそのような記述があるかと思いますので、
繰り返し読んで、ステップバイステップで楽に高いペダリングパワーを
出せるようにしてみてください。