2015年7月31日金曜日

2016 S-WORKS VENGE ViAS

オールニューとなるエアロロード、"VENGE ViAS"ヴェンジ ヴァイアスを国内一番最初に乗り出す栄誉が与えられて、いてもたってもいられず、峠を繋いだ3,400mアップの100kmライド後のインプレッションです!

一言で言えば、操る悦びに溢れたエアロロード!!


写真の完成車スペックで乗っています。
ViASは、Venge Integrated Aero System の頭文字をとったサブネームであり、このバイクの特徴である、エアロの要素が全てが組み込まれ一体化、統合されたヴェンジ、という意味合いです。

空気、風と言う見えないものを、自分の口から語るのははばかれますが、その全体の一体化の効果はハンドリング、バイクコントロールに如実に表れています。

このハンドリングのキレと確かさ、バイク全体のコントロールのしやすさはあらゆるライダーが乗っても体感できるレベルなほどに分かりやすく、そしてそれは操る楽しさとなって伝わってきます。


そのハンドリングは、最善のエアロ効果を狙って作られた専用のハンドルとステムによってもたらされている効果が大きそうです。

ステムは地面と同じ水平、かつなるべく低い位置にセットすることが効果的であり、ハンドルをアップライズにすることで、ポジションセッティングを可能にしています。

このヴァイアスは自分に合わせた専用ステムが未到着なので、まだ仮位置なのですが、こちらのWEBツールで自分の今のバイクポジションから、ヴァイアスのフレーム、ステム、ハンドルの各サイズを選び出すことが出来ます。

https://www.retul.com/venge-vias-sizing/

ただしその元となる今乗っているバイクのフィッティングが、自身に合っていることが前提になります。
専用ハンドルとステムを使いますので、あとから交換して調整するのは全てが内蔵されているので、非常に難しくなります。

初期設定でフィットしたバイクを再現できるようにすれば問題ありませんので、事前に自分の体に合わせた確かなフィッティングを実施しておくことを強くお勧めします。


この全てが内臓されたハンドルステムは、見た目のスッキリクールな印象とあわせて、カチッとしてズレやラグ、ねじれやゆらぎのないハンドリングを実現してくれます。
これは正直、その見た目よりも衝撃的ですらあります!

また翼形状のハンドルトップには前腕を置きやすく、ブラケットに指を引っ掛け低い姿勢を維持しやすくなります。

ステムと、フォームをクランプする部分も強固なのでしょう。


もちろんフレーム&フォークもターマックと比肩する剛性を実現していて、ハンドルから全体にカチッとしていて、コーナーリングやダンシングなど横、斜めに力がかかるときの反応が気持ちが良いです。

空気抵抗のための流麗な各部ですが、この乗り味を知ってしまうと、鍛えあげられた筋肉にしか見えなくなります(笑


トップチューブは低いスロープと三角形状であり、そしてダウンチューブはヘッドの丸から三角っぽいエアロ形状から、フロントホイールを包み込むようなエアロ専用ブレーキとラインを合わせつつ、三角の前後向きを滑らかに移り変わり、最大幅のボリュームとともにBBあたりでは四角くなっていくという複雑きわまりない造形になっています!
この素晴らしい造形を眺め続けられるのは、オーナーの特権といっていいでしょう。
なにせ写真では表現できませんから。


チェーンステーのしっかり感も高く、しかし路面追従性はよく、固くて跳ねるといった挙動も荒れた旧道の下りでも皆無で、しっとりしているわけではありませんが、ホイール&タイヤがかなり良い仕事をして衝撃吸収は高いです。

このカッチリ感でこの乗り心地ならばバランスいいねって感じる方が多いと思います。


肝心のエアロ効果は前述、見えないものなので表現が難しいのですが、ボトル2本を装備しても問題ない設計になっているなど、あらゆるユーザーにとってフレンドリーなエアロであることが上げられます。

自分の体感では、25kmくらいから40kmに上げるのが引っかかりなくスムーズで楽に感じますし、40km巡航では軽い感じで、足の周りが良い気すらします。

決して高い速度域だけで良い感じではないのは、エアロ形状と剛性のバランスが高いレベルで実現できているからこそなのでしょう。

ただし、20km以下だとエアロ効果は体感しうるレベルではありませんし、乗り心地も普通かなって感じましたので、しっかりとした試乗環境で乗ってみてほしいものです。


この専用ブレーキは、キャリパーとのタッチや効かせてからガッツン握りこんだ時のフィーリングは異なりますので、最初は違和感ありましたが、何本も峠を下っていると、シューのあたりが出たこともあり、どこからパワーが立ち上がり、どこまで握り込めるのかがわかるとコントロールしやすいです。



フロントは確かなものの、リアはややVブレーキっぽい握りこんだ際のたわみを感じます。ワイヤー調整などで煮詰めていく必要性はありますね。
シュー角度で音鳴もありえますし、これだけ専用パーツが組み込まれ、全てが内蔵でもありますので、
やはり腕の立つ信頼できるメカニックに組み上げてもらうのは必須かもしれません。



組みわせれたホイール ROVAL CLX64、このホイールに合わせてViASを最適化していったと、開発責任者のクリス・ユーは言っていました。
それだけ、このホイールが良く出来ているということでしょう。実際に乗ってみて、おおおっ!て思うほどにいい足回りです!

タイヤよりも広い最大幅のリムにより空力とリム剛性も上がっています。タイヤ幅を活かして、断面形状をより丸くしていて転がり抵抗低減とともに、乗り心地も良くしています。

転がりが良くなるという実験結果と、空気抵抗を減らす効果から採用された前後で異なるタイヤサイズは、乗っていて違和感は全くありません。


ホイール全体のカッチリ感も高く、たわみは感じられないレベルなものの硬すぎる不快感はなく、加速と上りでのダンシング、コーナリングでさらに倒しこんでもピシっとしていて乱れもなく、実に気持ちが良いです。

ハブはセラミックベアリング採用で軽く、廻りもいいですし、ハブボディもエアロに最適化された形状をしています。
クリスによると、クイックリリースは地面と平行にセットすれば、形状による差異はないとこことでした。


スポークはエアロ形状になっています。
しかし、ニップルは内臓ではなく、整備性を高めていますが、内蔵してもエアロ効果は変わらないとこと。
こういった細かいところまで徹底的に検証しているのは、自社設備として自前の風洞実験設備を持っている強みが活かされています。
エアロなイメージと、実際は異なる部分って結構あるそうですから。

ともあれ、このCLX64は早速トライアスロンバイクSHIVにも装着して、アイアンマン・コナで実戦使用したいです!
リアディスクホイールと同等の比較結果もあるし、横風にも実際安定していたので、ハワイにバッチリだと思われます。


カーボンボトルケージとSWAT、携帯工具も標準装備で、一体化されています。
自分の使用はクランクスパイダー型のパワーメーターが間に合っていませんが、それも標準装備されていますので、その面でみると高額な価格にも納得度が高まります。


乗りて行うレベルの整備性は確保されていて、ブレーキのテンション調整などは自分でもしましたし、充電もこのBB下に設置されているカバーをネジ一本で外せば、ジャンクションにアクセスできて、充電など可能です。
インジケータの覗き窓が備わっていますので、バッテリー残量はいつでもチェック可能です。


大人気のパワーサドル、ライダー自体が空気抵抗の主成分ですから、低い姿勢を保ちやすいこのサドルはマストアイテムでしょう。

シートピラーは、前後リバースしての使用は出来ないものの、標準20mmオフセットの他に、オプションで0mm、30mmオフセットも選ぶことが出来ますので、今後の専用エアロバー(鋭意開発中のとこと)のリリースと合わせて、先々の拡張性には期待できます。


クリスの話は、エアロについてがメインで、その性能も空力で語られることがほとんどだったのですが、ライダー目線で言えば、見えないエアロ効果は1600時間という膨大な時間を費やした自社風洞施設の賜物を享受しているという信頼に裏付けされていますし、なによりも乗って感じられる楽しさ、これが一番のメリットかもしれません。

シャープ、スムーズ、スピーディであり、コントローラブル。
誰もが乗って楽しめるであろう高性能バイクであるヴァイアス、そのハンドリングとコーナーリング性能に惚れました~!!